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  • takemotoyuki0818
  • 3月18日
  • 読了時間: 4分

ジャズの巨人:デクスター・ゴードンの魅力


ジャズの歴史を語るうえで、デクスター・ゴードン(Dexter Gordon)の名前を外すことはできません。彼の音楽は、豊かな音色と独特のフレージング、そしてストーリーテリングのようなソロで多くのファンを魅了しました。この記事では、デクスター・ゴードンのキャリアと彼の音楽の魅力について紹介します。


最後にはジャズスタンダード「Days Of Wine And Roses」でのソロの譜面やフレーズ解説もあります。



1. デクスター・ゴードンとは?


デクスター・ゴードン(1923-1990)は、アメリカのテナーサックス奏者で、ビバップとハードバップのスタイルを確立した重要なアーティストの一人です。彼のプレイには、レスター・ヤングの流れるようなスタイルと、チャーリー・パーカーの影響を受けたビバップの速いパッセージが融合しています。


ロサンゼルス生まれの彼は、若い頃から音楽の才能を発揮し、ライオネル・ハンプトン楽団での活動を経て、1940年代にはビバップ・シーンで頭角を現しました。その後、ブルーノートやプレスティッジといったレーベルで多くの名盤を残しました。



2. デクスター・ゴードンの音楽的特徴


彼のサウンドの特徴は、温かく太い音色と、メロディアスで語るようなフレージングです。スイング感を大切にしながらも、フレーズの間に独特の「間」を生かし、まるで会話をしているかのように演奏します。


また、彼のソロの組み立て方は非常に魅力的です。最初はシンプルなフレーズで聴衆を引きつけ、徐々に緊張感を高め、クライマックスへと導くスタイルは、まさにジャズの語り部と言えるでしょう。



3. 名盤紹介:デクスター・ゴードンの聴くべきアルバム


彼の作品の中でも特におすすめのアルバムを紹介します。

『Go!』(1962年)

デクスター・ゴードンの代表作ともいえるアルバム。ピアニストのソニー・クラーク(Sonny Clark)との相性も抜群で、洗練された演奏が楽しめます。「Cheese Cake」は特に有名な曲です。


『Our Man in Paris』(1963年)

ヨーロッパに移住した後の作品で、バド・パウエル(Bud Powell)(p)とケニー・クラーク(Sonny Clark)(ds)との共演が光る一枚。ジャズのエッセンスが凝縮されたアルバムです。


『One Flight Up』(1964年)

長尺の演奏が特徴で、彼の即興の魅力をたっぷり味わえる作品。



4. 映画俳優としての活躍


意外かもしれませんが、デクスター・ゴードンは映画俳優としても活躍しました。彼が主演を務めた映画『ラウンド・ミッドナイト』(1986年)は、ジャズミュージシャンのリアルな姿を描いた作品で、彼の演技も非常に高く評価されました。この作品で彼はアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされるという快挙を成し遂げています。



5. デクスター・ゴードンの影響


デクスター・ゴードンのスタイルは、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)やジョン・コルトレーン(John Coltrane)、さらには現代のテナー奏者にも影響を与え続けています。彼の「シンプルだけど深みのある」演奏は、多くのミュージシャンにとって手本となるものです。



6. ジャズスタンダード「Days Of Wine And Roses」でのソロの譜面やフレーズ解説


Dexter Gordon / Days Of Wine And Roses / Solo 1st ChorusTranscription / Guitar


2nd Chorus Transcription / Days Of Wine And Roses / Dexter Gordon / Guitar


3rd Chorus Transcription / Days Of Wine And Roses / Dexter Gordon / Guitar


4th Chorus Transcription / Days Of Wine And Roses / Dexter Gordon / Guitar


ジャズスタンダード「Days Of Wine And Roses」でのソロの譜面やフレーズ解説

ソロに入る前のピックアップフレーズ。C7のコード上でミクソリディアンスケールを中心にb9や#11の音が取り入れられています。


ジャズスタンダード「Days Of Wine And Roses」でのソロの譜面やフレーズ解説2

前半2小節がGm7、後半2小節がBbm7でのフレーズ。所々mM7の音やクロマチックが取り入れられており、息の長いフレーズを滑らかに繋いでいます。



まとめ


今回はジャズの巨人:デクスター・ゴードンの魅力と題してお話ししました。

デクスター・ゴードンの音楽は、ジャズ初心者からベテランのリスナーまで楽しめるものです。彼のアルバムを聴くことで、ジャズの持つ豊かな表現力や、リズムの心地よさを体感できるでしょう。もしまだ彼の音楽に触れたことがないなら、ぜひこの機会に聴いてみてください。

 
 
 

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